オンラインの報告会、報告書の公開、学術誌への投稿を予定しています。
詳細は本ウェブサイトにて随時お知らせいたします。
お知らせを希望する方は rpeinjapan★googlegroups.com(★はアットマーク)に件名「告知希望」として空メールをお送りください。
近年、森林の保護・管理に関わる活動が国内外で活発になっています。日本では2019年に森林環境税が創設され、森林が有する多面的機能の恩恵が広く国民に行き渡るような適切な森林管理を行うことが推奨されています。「森林の有する多面的機能」は、よく知られている木材生産や地球温暖化防止の効果だけでなく、国土の保全や水源の涵養、人間の文化や健康に対する効果など多岐に渡り、注目が集まっています。
森林の多面的機能を効果的に活用するためには、科学的根拠に基づいた質の高い政策決定や実践が求められます。科学的根拠は政策や実践の有効性を客観的に説明するだけではなく、それらを再考する際にも重要な情報をもたらします。また、一般化された学説や知識はもちろん、在来知のような地域に根付いた知見も考慮する必要があります。したがって、研究者や技術者などの科学側の職種のみならず、森林に関わるさまざまな関係者との協働が鍵となります。
森林における協働では、研究者(科学的根拠を提供する者)、実務者(科学的根拠を現場に適応させる者)そして、政策決定者(科学的根拠に基づいた政策を立案・運営する者)が足並みを揃えることが重要です。そのためには、関係者が森林の多面的機能のどの部分に関心があり、どの部分での取り組みを望んでいるのかを明らかにする必要があります。そこで本プロジェクトでは、森林の科学―実務―政策に関わる方々を対象に、日本の森林の多面的機能に対する認識をお尋ねし、定量的に評価します。
本プロジェクトでは科学―実務―政策の立場における認識が明らかになり、より効果的な協働が普及することで、日本国内の森林の利活用・管理が向上することを目指しています。アンケート結果や、国内の現状・日本で必要とされている科学的根拠に関する考察は、国内外に向けて公表します。具体的には、和文の学術論文だけでなく、国際社会における日本の特徴に着目した、森林における協働環境について考察した英文の学術論文を執筆する予定です。ご協力いただき回収した情報を学術研究に反映させ、皆様の利益になるよう努めてまいります。
そこで、このページを閲覧してくださっている皆様には、簡単なアンケート(選択式&回答自由の記述式)へのご協力をお願いしております。アンケート自体は10分程度で終了いたしますので、奮ってご参加ください。なお、個人や所属機関が特定されるような情報(氏名、所属機関名、メールアドレスなど)はお聞きせず、アンケート作成者も回答者を特定することはできません。
森林は私たちの生活に不可欠な木材を提供してくれます。その用途は製材・合板用材、パルプ用材、薪炭材など様々です。
森林には、水や土壌の保全機能や調整機能が期待されています。ここでは、水土保全機能を水源涵養機能(水の貯留、水質の浄化、洪水の緩和)と土壌保全機能(表面侵食の抑制、崩壊の抑制)に分け、それぞれの機能に関する複数のキーワードを挙げています。
森林は多様な生物に生育・生息の場を提供します。人為的影響がほとんどない原生林だけでなく、人工林や二次林も生息地として重要な役割を果たします。
2020年信州大学理学部理学科生物学コース卒業・学士(理学)。卒業研究のテーマは「日本の森林の純一次生産量に対する気象要因と森林構造の相対的な重要性」。生物多様性と生態系機能の…
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関係性について専門性を深めたいと考え大学院へ進学。その後、研究成果が社会においてどのように利用されているのかに興味をもち、本プロジェクトへの参加を決意。これまでに、知床をはじめとする北海道各所、岐阜県の御嶽山や賤母でフィールドワークの経験がある。また、針葉樹の実生と定着基質の関係性について、日本生態学会や東アジア生態学連合での成果発表の経験がある。
2020年横浜国立大学大学院環境情報学府博士課程前期修了・修士(環境学)。フィールドワークとリモートセンシングを組み合わせ、環境変動(自然撹乱)が森林の組成や構造に与える影響の…
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評価を実施。また、ドイツ・ミュンヘン工科大学との共同研究で、気候変動下での森林動態シミュレーションに取り組んでいる。屋久島、御嶽山、知床、カナダなど、亜熱帯から冷温帯までの多様な森林でフィールドワークを経験。これまでに、基礎生態学の知見を応用科学として地域の自然再生に還元すべく、現地の管理者らが参加する会議(しれとこ100平方メートル運動地森林再生専門委員会)での研究成果発表を実施。一か月間の知床でのインターン、アメリカでの英語研修、カナダにおける国立公園への訪問など幅広く活動している。
個人HP:https://kureha-f-suzuki.wixsite.com/research-website
2004年京都大学農学研究科博士課程修了・博士(農学)。京都大学、サイモンフレーザー大学での研究員を経て現職。カルガリー大学、ウィーン天然資源大学で客員研究員として在外研究を…
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行ってきた。フィールドワーク、ビッグデータ統合、シミュレーションなどにより生物多様性の形成と生態系機能への帰結をつなぐ研究を実施している。また、人類にとっての自然資本の利用と保全についての研究を行っている。内閣府・日本学術会議連携会員、北海道斜里町「しれとこ森林再生専門員会」専門委員、「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学-政策プラットフォーム(IPBES)」執筆専門家、「日本長期生態学研究ネットワーク(JaLTER)」科学委員などを併任。その他にも、林野庁や環境省の各種事業の委員やアドバイザーを務めてきた。現在、Environmental Management, Journal Applied Ecology, Ecology Letters, Trends in Ecology and Evolutionの編集委員。主な著書に「生物多様性の多様性(2018年、共立出版)」「エコシステムマネジメント(2012年、共立出版)」などがある。
個人HP:http://akkym.net/
2015に北海道大学大学院農学研究院で博士(農学)を取得。学位取得後、日本学術振興会特別研究員、東京大学大学院農学生命科学研究科助教を経て、2019年11月より現職。…
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専門は生態学だが、その他に環境心理学や都市計画学、公衆衛生学にも精通し、人と自然の相互作用に関する学際的な研究に従事している。主な著作に、『都市生態系の歴史と未来』(朝倉書店、2020年)がある。
個人HP:https://www.masashi-soga.com
1995年九州大学大学院農学研究科林業学専攻博士後期課程退学・1999年博士(農学)。九州大学助手、宮崎大学講師等を経て現職。その間、スイス連邦森林・雪・景観研究所、…
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ホーヘンハイム大学、ブリテッシュコロンビア大学で在外研究を行ってきた。「持続可能な森林経営」をキーワードに森林計画・森林計測に関する研究を進めており、フィールドでの生態的・社会経済的調査とリモートセンシングなどを組み合わせた学際的なマルチスケール解析に力を入れている。産官学連携による調査研究も重要視しており、国外ではカンボジア・ミャンマーでの研究が多い。現在は、森林計画学会副会長、Journal of Forest Research副編集長を務める。主な著書(共著)に「森林計画学入門(2020年、朝倉書店)」、「主張する森林施業論-22世紀を展望する森林管理(2007年、日本林業技術協会)」などがある。
個人HP https://hyoka.ofc.kyushu-u.ac.jp/search/details/K002510/index.html
2011年九州大学大学院博士後期課程修了・博士(農学)。九州大学農学研究院・学術研究員、九州大学持続可能な社会のための決断科学センター・助教などを経て現職。…
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「持続可能な森林経営」をキーワードに研究を進めており、現在の主な研究テーマは「森林モニタリングにおけるデータの品質保証と有効利用」および「東南アジアにおける持続可能な森林経営」。
2020年東京農工大学大学院農学府修士課程修了・修士(農学)。2020年4月より、日本学術振興会特別研究員DC1。山地上流域を対象に、水や土砂が移動する「場」...
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におけるサンプリングやモニタリングから、防災・減災強化に向けた流域土砂動態や森林水土保全機能の評価を実施している。これまで、熊本地震や北海道胆振東部地震、ニュージーランドカンタベリー地震など、亀裂や崩壊、地すべりが多発した国内外地域の災害調査・研究を経験してきた。また、トビタテ!留学JAPANプログラムなどから、研究や留学への支援を受け、タジキスタン中央アジア大学やニュージーランドGNSサイエンスとの共同研究を実施してきた。さらには、自転車日本一周やアイルランド語学留学、自然災害対策をテーマとした分野横断型ワークショップの主催など幅広く活動している。
2020年東京農工大学大学院農学府修士課程修了・修士(農学)。2020年4月より、日本学術振興会特別研究員DC1。森林性の大型哺乳類ツキノワグマを対象に、繁殖生態とブナ科...
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堅果の結実豊凶の関係性の評価、個体群動態の解明に取り組んでいる。また、ツキノワグマの歯の年輪幅による繁殖生態の評価指標の確立、サクラの遺伝子流動への送粉・種子散布の影響に関する研究を行っている。ノルウェー・ノード大学と共同で、哺乳類の種子散布者としての機能の違いについての研究も進めている。これまでに、地域への還元として栃木県と群馬県で研究成果発表を実施。国際クマ会議(IBA)で発表するなど、国内のみならず国際的にも積極的に研究成果を還元している。NGO団体日本クマネットワークの学生部会の幹部およびニュースレターの編集委員として日本におけるクマ類に関する情報発信と普及啓発に取り組んでいる。
2020年カナダ・レイクヘッド大学自然資源管理学部博士課程修了・PhD。同年度より日本学術振興会特別研究員PD。森林生態系を対象に野生動物・植物を広く…
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扱った研究を行っている。修士論文ではブルガリアの温帯林でイタチ科テン類の基礎生態を研究し、博士論文では気候変動がカナダの北方林に与える影響に関する研究に取り組んだ。現在は気候変動が地球規模の樹木多様性に与える影響や、国内の森林性昆虫類に与える影響に関する研究を進めている。そのほか、フィールドワークにより森林・農地における鳥類多様性や、広域気候下における森林性哺乳類の生態に関する研究を行っている。カナダ・サンダーベイ市地域多文化青少年議会(2014年)、オンタリオ州政府Trillium Scholarship奨学生(2015~2019年)、国際自然保護連合(IUCN)種の保存委員会小型食肉目専門家グループ委員(2019年~現在)。
個人HP:https://mhisanojp.weebly.com
2016年より現職。三菱 UFJリサーチ&コンサルティングにおいて、森林・林業分野の調査・コンサルティング に従事。東日本大震災を契機に、木質系を中心にバイオエネルギーのプロジェクトに…
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多数関わるようになる。バイオエネルギーの持続可能性の問題に早くから取り組み、2019年4月より経済産業省資源エネルギー庁バイオマス持続可能性ワーキンググループ委員を務める。著書に『木質バイオマス事業 林業地域が成功する条件とは何か』『先進国型林業の法則を探る』(全国林業改良普及協会)など。京都大学大学院農学研究科修了(森林生態学・修士)。2016年に北海道大学大学院農学研究院より、森林・林業分野の人材育成政策をテーマに博士(農学)を取得。自然エネルギー財団では、バイオエネルギー政策全般、木質バイオエネルギーの持続可能性に関する研究や中長期戦略の策定、自治体との連携を担当。
2015年九州大学比較社会文化学府博士課程修了・博士(理学)。在インドネシア日本国大使館派遣員、NGO職員等を経て2016年より現職。
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研究キーワードは人文地理学、森林管理、REDD+、生態系サービス、非木材林産物、環境影響評価。様々な公共政策を効果的に実施する上で森林をどのように利活用していけばよいのかについて関心があり、国内外の気候変動緩和策、適応策に資する森林管理の役割、森林減少を伴う土地利用変化が生態系サービスや地元住民に及ぼす影響などに着目して研究している。
researchmap:https://researchmap.jp/ehara
2021年北海道大学大学院農学院博士課程修了・博士(農学)。生物群集の地域差や季節性を考慮した生物多様性の保全に貢献できる森林管理、…
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特に人工林施業の提案を目指して、広域的な鳥類調査、既存のマクロデータの解析、複数の研究結果を統合するメタ解析などに取り組んでいる。北大山スキー部で培ったタフさを活かして、これまで調査されてこなかった夜行性鳥類や多雪地を含む越冬期の鳥類の分布を規定する要因の解明に力を入れている。北海道で実施されているトドマツ人工林における保持林業の実証実験地にて、ヨタカの分布調査やコウモリの研究を行う中で、行政や森林管理者との協働の難しさと重要性を実感し、本プロジェクトに参加した。
個人HP:https://kkawamura0328.wixsite.com/kazuhiro-kawamura
九州大学大学院森林資源科学専攻修了後、野村総合研究所にて、主に官公庁の制度設計・執行に関する業務に従事。…
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その後独立して介護系スタートアップでの事業立ち上げを経験した後、現在は株式会社GREENFORESTERS取締役として植林・育林事業を立ち上げるとともに、一般社団法人社会実装推進センター代表理事として経産省や林野庁が進める官民連携プロジェクトの事業設計・運用管理を担当。
GREEN FORESTERS:https://greenforesters.jp/
2021年北海道大学大学院農学院修士課程修了・修士(農学)。2021年4月より日本学術振興会特別研究員DC1。台風や表層崩壊といった自然撹乱を受けた森林を対象として、バイオマス量や…
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種組成、炭素収支が長期的にどのように回復するのか?素早く回復させるためにはどのような撹乱後の管理が適切なのか?について野外調査により評価している。また、気候変動やそれに伴う撹乱頻度・強度の変化、撹乱後の管理が森林に与える影響について森林景観シミュレーションを行なっている。大阪大学やアメリカ・ノースカロライナ州立大学と共同で森林景観シミュレーションモデルでの森林更新プロセスの精緻化にも取り組んでいる。
個人HP:https://whotta39.wixsite.com/mysite